かかとのガサガサが水虫が原因だということに気づかないのは痒みが無いから
かかと水虫とは
かかと水虫とは、かかとの角質に白癬菌が寄生することで引き起こされる水虫の一種です。角質増殖型水虫とも呼ばれています。
かかと水虫の症状は、
- かかとがガサガサ、カサカサになる
- かかとの角質が硬くなって分厚くなる
主にこのような症状が出るのですが、もう一つ、痒みがほとんど無いというのも、大きな特徴となっています。
かかと水虫はなぜ痒みが無いのか
皮膚の角質層は死んだ細胞の集まりで、普段は病原菌が入り込まないようにバリア機能を果たしています。白癬菌は通常この角質層に寄生して生きているのですが、角質層のすぐ下にある 顆粒層へ侵入しようとすると、免疫細胞の活動が活発になり、痒みを生じさせるのです。
しかし白癬菌が角質層内に留まって、免疫細胞との接触が起こらなければ免疫反応も起こらず、痒みも発生させないという訳です。
かかと水虫は気づかれにくい
上記のような理由で、かかと水虫には痒みがほとんどありません。一般的に『水虫=痒い』というイメージがあるため、このような痒くない水虫にかかっていても、自身が水虫であることに気づきにくいのです。
もしかしてと思ったら病院で調べてもらいましょう
前途したように、かかと水虫は、かかとがガサガサ、カサカサになって、角質が硬く肥厚します。乾燥による肌荒れ症状と似ているので今までは気が付かなかったけど、私のこの症状って、もしかして水虫?と思われた方は、一度病院で検査を受けられることをお勧めします。
病院では皮膚の一部を採取して顕微鏡検査が行われます。その場ですぐに結果が出ますので、時間も掛かりません。
病院でのかかと水虫治療は?
白癬菌が発見されたときは、治療が始まります。通常であれば、抗真菌剤の外用薬を使うことになると思いますが、症状が酷い場合は、内服治療になることもあります。ただし、内服薬は肝臓や腎臓に問題がある人や、妊婦さんは使えませんので、そのような場合はお医者さんにしっかり申し出てください。
市販の水虫薬で治療するには?
市販の水虫薬でも治療することは可能です。市販薬選びの際にただ一点注意して頂きたいのは、2002年以降にスイッチされた、いわゆる第3世代抗真菌成分の中から選んでもらいたいということです。
ちなみに医療現場で使われていた医薬品が、薬局で販売できるようにしたものをスイッチOTC薬と言います。⇒詳しくはコチラをご覧ください
第3世代抗真菌成分とは、
1、ラノコナゾール
2、アモロルフィン
3、テルビナフィン
4、ブテナフィン
この4種類です。この中のいずれかの成分が使われている水虫薬を選んで使ってみてください。白癬菌を抑える効果はいずれの成分もかなり高いです。
市販薬で治療するときのポイントは?
市販薬で水虫を自宅治療する際は、次の2点に気を付けてください。
1、薬をケチらない
2、薬は足の裏全体に広く塗布する
実は自宅治療の落とし穴はここにあって、薬をケチって足全体にしっかり塗らないために治らなかったり、症状が改善してもすぐに再発を繰り返してしまいます。
薬を塗る量はどのくらい?
外用薬の適正量は1FTU(Finger Tip Unit)という単位を使って説明されます。1FTUとは人差し指の第一関節の長さまでチューブから絞り出した量で、約0.5gとなり、この量は両手の手のひらに塗る量に相当します。
足全体に塗る場合は1FTUで片足分となり、両足であれば2FTUで約1.0g使うことになります。
外用薬は塗った量の1~2%しか皮膚を通して吸収されないので、しっかり付けないと治りません。ケチってはダメです!
薬代はどのくらいになる?
両足に毎日1回薬を塗る場合、1日で1.0g使うので1か月で30g使うことになります。15g入りで1,500円程度のお薬が2本必要となりますので、1か月の薬価は約3,000円ほどでしょうか。
3か月は塗り続けるとして、完治までに計6本となり、薬代は約1万円になるでしょう。
もしかしたら、皮膚科でジェネリック薬品を処方してもらったほうが安くすむかもしれません。